キモオタクの部屋

終わりかけの大学生のブログ。不定期に更新します。

サブスクと映画論

この記事は伝聞・推察を多分に含んでいます。間違いがあるかもしれません。

 

 1970年代、ビデオレコーダーの登場により映画オタクの世界に激震が走った。一般人でも映画を所有できる時代が到来したのだ。

 

 それ以前の映画は映画館かテレビ放送で見るものであり、好きなときに好きな映画を見るというのは本当の金持ちにしか許されていなかった。自宅に映写機とスクリーンを備えた試写室を作り、コネを使ってフィルムを入手する(当然だが、映画のフィルムというのは一般市場には流通しない)。凄まじい労力と金額が必要になることは想像に難くないだろう。

 

 しかしビデオレコーダーとテレビさえあれば、好きなときに好きなだけ映画を楽しめるようになった。決して安価なものではなかったが、学生でも一生懸命バイトをすれば手が届く値段だ。データを所有できるなんて当たり前な時代に生まれた私には想像しかできないが、コンテンツを所有できるようになった、という喜びはあまりにも大きいものだと思う。

 

 そして時は流れ2020年代、コンテンツはもはや所有するものではなくなりつつある。動画配信サービスに毎月お金を払い、見るたびにデータをダウンロードする。時間が経てば手元の端末からデータは消えてしまう。好きなときに好きなコンテンツを楽しむという面では膨大な数のコンテンツにいつでもアクセスできるサブスクに優位性があるが、その便利さを良しとするとコンテンツを所有できない時代を肯定することになる。

 

 ストリーミング元の一存で作品にアクセスできなくなるとか、7インチ弱の小さな画面で映画を見ることの是非とかの話をしたいわけではない。コンテンツを所有する喜びというのは確実にあったはずなのに、その文化を捨て去りストリーミングに迎合するのが正しいことなのだろうか?

 


 

 というような話を映画オタクのジジイにしたら、「こっちは映画という文化があと5年続くかどうかの瀬戸際で生きてるからどうでもいい」というような答えが帰ってきた。まあ映画館に行って映画を見る文化はマジでなくなりかけてるもんね…。