皆さんこんにちは、キモオタクです。
ポチョムキンバスターを擦りすぎて箱コンの十字キーが逝ったので、これを期にレバーレスに移行しようと思ったのですが…高い!2~3万は平気でするし、怪しげなやつでも1万弱ぐらいします。ならば自分で作ってしまおうというのが今回の企画です。
目標としては、3000円以内で普通に使えるものを作ることです。
構造としてはマイコンにキースイッチつなげるだけという非常に簡単なものなので、多分楽にできると思います。それでは行ってみよ~☆
部品選定
マイコン
UFBなんて買ってたらその時点で予算オーバーしてしまいます。esp32で適当にごまかすか~とも考えましたが、ゲームパッドとして認識させるライブラリがbluetooth用のものしか見つからなかったので、どうしたもんかな~と考えていたところ…
gp2040-CEというラズピコ用ファームウェアを見つけました。遅延の公称値はなんと1ms以下(?!)という高性能ながら、rp2040が乗っているマイコンボードなら何でも動作しそうな気配を感じたため、マイコンはrp2040に決定。その中でも特に小型でtype-Cに対応しているwaveshare rp2040-zeroに決定。千石電商で710円でした。
キースイッチ
どうせなら薄型のレバーレスが欲しかったので、三和ボタンなどのアケコン用ボタンは却下。キーボード用のキースイッチの中から薄型かつ安価なものを探しました。
kailh chocシリーズが有名だったのでその中で特に安いv1 redにしたのですが、キーキャップが独自規格かつ自分で作ったとしても強度不足になりそうな見た目なので、新世代のv2にしたほうがよかったかもしれません。遊舎工房で一個65円ぐらいで、今回は16個使います。
Kailhロープロファイルスイッチshop.yushakobo.jp
オンラインより実店舗のほうが安いです。
筐体&キーキャップ
自作レバーレスといったらアクリル板という風潮がありますが、オーダーカットなんてしようものなら普通に既製品買ったほうが安いなんてことになりかねません。キーキャップも独自に作る必要があるので、筐体とキーキャップで同じ制作手法が使える3Dプリンターで作ります。
作業開始
筐体は3Dプリンターで作るので、fusion360で適当に設計します。
特に言うことはありません。CADに触り始めて2年、スケッチと押し出しとフィレット以外のコマンドを知らずにのうのうと生きております。
20時間ぐらいかけて印刷。本体は白にしました。割とかっこいい!キーキャップも同様に印刷します(画像なし)
結構ギチギチに設計しているので、キースイッチははめ込むだけで固定できています。マイコンは少し不安なので裏にグルーガンを垂らして接着しました。
本当に適当です。動きゃいいんだよ動きゃ。ピンアサインはあとから変更できるので、そこも適当です。
一応ちゃんと動くかのテストをします。
なんかそういうサイトで1つずつキーを押して、全部反応してるかを確認します。
蓋をするので銅線に物理的負荷がかかることはないと思うのですが、あまりにも見てくれがアレなのでグルーガンではんだ付け部分を補強します。
そしたら裏蓋を閉じて
キーキャップをつけたら完成です。
キーマッピングはweb configuratorで弄れます。
完成!
かかった金額
waveshare rp2040-zero: 710円
kailh choc v1 red 16個: 65 x 16 = 1,040円
PLA+フィラメント 200gぐらい: 600円
研究室からパクってきたはんだ: 0円
研究室からパクってきた錫メッキ線: 0円
研究室からパクってきたグルー: 0円
ジャンクのLANケーブルから剥ぎ取った導線: 0円
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合計: 2,350円
まとめ
いかがでしたか?宣言どおり格安で、見た目もいいレバーレスを作ることができました。本当に簡単なので、買いたいけど高い…と思っている方はぜひ自作してみてはいかがでしょう
はい。
嘘です。いや全部が嘘なわけじゃないんですけどね。
原材料費的にはタイトル通りのコストで作れたのですが、実はこの記事のレバーレスは5世代目です。
3ヶ月ほどかけて4枚失敗作を作っているので、どれだけ楽観的に考えてもその時間でバイトして既製品を買ったほうが良かったです。
以下の内容は失敗作の紹介と製作時に詰まったところ、解決法について書いていこうと思います
失敗作
零号機
零号機(第1世代)です。見返すとレバーレスっぽい見た目にはなっていますね。ただいくつか問題があり
①キーキャップがピッタリハマっていないのか、はじき入力をするとボタンが外れてしまうことがある
②↑の対策として、ボタンが外れないようにするための「返し」がついている
③クリアランスがギチギチで押したら戻ってこないボタンがある
④組立方法が周囲6点の四角部分をはめ込む方式だが、ガバガバ設計のため歪んでいる
ボタンはこんな感じになっています。4つの出っ張りが返しです。
ちょっと実用に耐えなかったので、新しいものを作りました。
初号機
このクソガキカラー、彩度を落としたらワンチャン初号機に見えるかもしれません。
前回の反省点を活かし、本体の組み立てをネジとボルトによるものにしました。
しかし零号機以上に使えないものになってしまいました。問題点として
①ネジをしっかり締めると本体が歪む
②ボタンのサイズがギチギチすぎて本当に押したボタンが戻ってこない
本体が歪んでいるからボタンが戻ってこないのか、ボタンについている「返し」が悪さをしているのか…
ここまで材料費と労力を費やしたのに、ここで撤退をするわけにはいかない。焦燥感に浮かされて、問題の原因を特定する間を惜しんで次世代機の開発に取り組みます。
弐号機
弐号機です。初号機と比較すると、割とマイナーアップデートです。ボタンと本体の隙間をむっちゃ取ることで強引にボタンが戻ってこない問題を解決しています。
しかしまだボタンに引っかかりがあり、あまりちゃんと使う気になりませんでした。
ボタンの返しを取っ払う…?でも強く叩いたらボタンが外れるのはなぁ…
この問題を解決する方法が思いつかず、ここから1ヶ月ほど製作を停止していました。
参号機
ここからまともに使えるようになっていきます。1ヶ月間考えた結果、いくつかの個人的ブレイクスルーが生まれました。まずボタンの返しを取っ払いました。ボタンが外れちゃう問題はツメとキーキャップの間にティッシュの切れ端を入れるという方法で解消、また本体を設計し直し3層構造から2層構造にしました。
弐号機までの構造はこんな3枚おろし状態で、1層目と2層目が少しズレることでボタンが引っかかってしまうという問題を抱えていました。
記事の最初でも紹介した2層構造にすることでズレを解消し、戦闘以外に使うボタンは今まではタクトスイッチだったのですが、かなり押しづらかったこともあり全てのキーをchoc v1に変更しています。
四号機
今回の記事で制作していたものです。前回のレバーレスは実際に1週間ほど使ってみて、昇竜出ないな~とかコンボ落とすな~とか言いながら問題点を洗い出し、解消したものになります。
サイズやボタン配置を調整し、ボタン制作時の積層ピッチを細かくしてクオリティを上げました。
まとめ
以上となります。結構試行錯誤が必要でしたが、3Dプリンターさえあれば割とちゃんとしたものが作れるのでみなさんも作ってみることをおすすめします。
では。